ひだまりラリアットLOVE

ひだまりラリアットを応援し続けるブログです。

ひだラリプロレス

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その11

小林咲彩と中堅団体のベテランレスラーがリングの中央で対峙していた。 観客のどよめきと怒号の中、二人の距離がジリジリと縮まっていく。 団体のエースとして乱入者に負けるなんてことは許されない。 しかもメインイベントのタイトルマッチを潰されたことで…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その10

後頭部にドロップキックを受けた小林咲彩は、リング上に倒れたままだった。 ベテランレスラーは次のターゲットを南海ナルに決めたのか、距離を測りながらジリジリと近づいてくる。 その間に、控室から飛び出してきた若手レスラーたちが、リングサイドを囲ん…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その9

「さやべぇ!後ろ!」 南海ナルの声に振り向いた小林咲彩だが、ほんの数秒、タイミングが遅かった。 激怒した若手のホープは、パイプ椅子で小林咲彩の頭を強打した。 バコンという不快な音を立て、パイプ椅子が頭にめり込んだ。「さ、さやべぇ!」 いつもマ…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その8

罵声と怒号が飛び交う中、小林咲彩がリングに向かって歩いていると、ひときわ通る大きな声が会場に響き渡った。 「ひだまりラリアットだ~!邪魔するやつは皆殺しだ~!」 明らかに挑発目的で、アジテーションしまくっている。 その声のせいで、会場にはブー…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その7

午後8時45分。ついにメインイベントの時間となった。 この試合は大会を主催している中堅団体のベテランエースと、人気急上昇中の若手のホープとの、団体最強のベルトを賭けた戦いということで、ファンの期待値は団体の歴史の中でも最高のものとなっていた…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その6

午後7時、ついに大会がスタートした。 最初の方に登場する選手たちは未来のスターを目指す若い女子レスラーたちだった。 小林咲彩は2階席の隅の方から彼女たちの試合を見ていたが、次第に申し訳ない気持ちになっていった。(あんなに頑張っている人たちが…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その5

「無茶ぶりにもほどがあるよね……」「プロレスなんてできるわけないのにね」「ですよね……私たち全員素人なのに……」 控室にはマネージャーの姿はすでに無かった。 指名されなかったメンバーたちが同情の目を向けた先には、指名されたメンバーがテーブルに突っ…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その4

駆け出しのアイドルグループ「ひだまりラリアット」が、マネージャーの指示で突然プロレス参戦することになった。 ブレイクする兆しすらなかったメンバーたちは、勝利したらステージ上で歌わせてもらえることを条件に、プロレス参戦を決めた。 興行がスター…

そもそものお話【ひだまりラリアットのこと】その1

肝心なことを忘れていました。そもそも「ひだまりラリアット」とは何なのでしょうか? 簡単に言うと、日本テレビの深夜に放送していた「アイキャラ」という番組から生まれた2次元キャラクターによるアイドルグループで、出演者のバカリズムさん、小出祐介さ…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その3

【第1話】その3 ひだまりラリアットがプロレスに参戦する日の午後3時10分。 マネージャーが待ち合わせ時刻に指定した午後3時を10分も過ぎているというのに、メンバー5人のうち、まだ2人しか来ていない。 綾瀬陽菜はスマホをいじりながら、佐々木の…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その2

【第1話】その2 1週間はあっという間に過ぎた。 午後3時、後楽園ホールの関係者入口に、一人の女性が立っていた。 細めのスーツを着て、姿勢良く立っている女性。 ――ひだまりラリアットのマネージャーだった。 そこへ長い黒髪を揺らして、一人の女性が姿…

アイドルは本当は強いんです! ~ひだまりラリアット プロレスはじめました~【第1話】その1

【第1話】その1 「今日からプロレスやってもらいます。」 普段の業務連絡と変わらない表情でマネージャーが告げた。 ミーティングと聞いて会議室に集まっていた「ひだまりラリアット」のメンバーたちは、目を丸くして、口をぽかーんと開けたまま呆然として…